アンダンテ?

 ウフムフが一段落して、お昼食べてからバイクでも迎えに行くかなと、考えていたらおかんが財布を持たずに合羽橋に行ってしまったらしく、買い物があるからお金持って来いと、言われたので、先ずはえっちらおっちら合羽橋に。なけなしのお金をおかんに渡し、おかんの買い物が終わったので、今度は兄貴をハミレスに呼び出して財布を持ってきて貰った。ついでに兄貴と3人でお昼を食べ、向島まで送ってもらった。
 バイクを引き取って暇だったので、普通じゃ通らない道をぼんやり通りながらhttp://www.ario-nishiarai.jp/に行ってきた。なんとなぁくhttp://www.swimmer.co.jp/に行きたかっただけなんだけれども。何時も通らない道を通っていたら、とんちきちーな感じのオブジェがあったり、とんちきちーな名前のお店があったり。それに凄く昭和昭和してた場所を久しぶりに通ったから、なんだか気分が改まった感じ。
 一体何があるのかさっぱりなアリオ。兎に角SWIMMERを見て、薬局を見て、ぼんやり煙草吸って。大きいイトーヨーカドーだなぁと、ぼんやりして居たら思い出した事があった。中学の時の国語の先生だ。
 先生は田舎町の出身で、駅は有れども1日に数本というローカルな駅で、昔ながらの商店街しか無く、中学に入った頃に先生はこの町はつまらん!と、思っていたけれども、いちばん繁華している町まで電車で行くとしたら、2時間近く。しかも3時には帰ってこなければいけない。先生曰く「シビアだった」そうだ。
 高校に入って、学校帰りに行く場所はみんな1カ所(甘味処)しか無かった。そんな町にイトーヨーカドーが出来たのが、高校2年になった頃。先生の妹(その頃小学4年生)は、3階建てのイトーヨーカドーにぶったまげ、暇があると毎日通ってしまったそうだ。
 3階には喫茶店が入ってたのも先生には感動で、挙げ句エレベーターに大興奮したそうだ。そんな先生は大学入学で上京するまでイトーヨーカドーがデパートだと思っていたそうで、東京に来て、もっと大きいデパートを見てびっくり。だからか、尽くイトーヨーカドーで買い物を勧める先生だった。
 今も先生をしているんだろうか。先生と言えば、会いたい人が居る。中学の時、特別化学講師として横浜の大学から1年だけ教えに来ていたMさんに会いたい。お嬢様育ちのMさん(先生と呼ばれるのを嫌がったので、私は名字をもじった名前で呼んでいたのだが)は、横浜から全く出た事が無く、その為2度目に学校に来る時間逆の電車に乗り、小田原に到着(爆)。
 それだけでもびっくりだったのだが、30過ぎていたのにひとりで買い物に行った経験が無いらしく、東京に来たんだからと生まれて初めて銀座に行ったそうで、凄いはしゃいでいた。「東京って凄いわねぇ」横浜も凄いですよと、言ったが先生は東京がいちばんだと断言。「だって、こんなにいいもの試供品で貰ったのよ!いっぱい貰ったから欲しかったら持って行って!」と、Mさんが出したのは、どう見ても売っている基礎化粧品(爆死)。「先生…これ、売り物だよ」冷静に突っ込む自分と友人(苦笑)。
 慌てたM先生は記憶を頼りにデパートの電話番号を調べ、平謝りして学校が終わると早々に商品を返しに行ったのだが。おっとりした先生で、こんな人に化学実験を任せて大丈夫なんだろうか…という意識が自然に目覚めた1年だった。今はきっといい奥様になってるだろうなぁ。やっぱりおっとりしてるのかなぁ。
 そんな思い出を思い出しながら、寒い道をバイクでひた走り帰ってきた。ってか、一般住宅が丸ごとイルミネーションになっていて、近くで営業しているカラオケ居酒屋より派手で派手で(笑)「間違えた人入ってこないかな」と、ついつい心配になってしまった夜だった。