大人の夢は些細な夢。

 近所に昔懐かしい味のパンを出すパン屋がある。総菜パンが特に昔懐かしい味なのだが、このパン屋タイミングが悪いと店員がとんでも無いのが唯一の問題である。
 以前近所に住む友人と話題になったのが、レジを担当しているのがおばあちゃん(70過ぎ)。レジを使いこなせる人でも無く、電卓を駆使する人でも無く、“頼まれたから店番してますよ”な、おばあちゃん。このおばあちゃん暗算が不得意でパン3つで有り得ない価格を出したり、おつりを少なくしすぎたり多くしすぎたり。客が慌てて「おばあちゃん多いよ!」なんて大きな声を出してしまうと、奥の調理場から息子が出てきておばあさんに怒りながら「だから!」と、説明を始める。
 暫くおばあさんを見ていなかったが今日のレジの人は“なんで買い物に来るのよ”と、全く嬉しく無さそうな、やる気が無いようなおばちゃんだった。なんだかすまないすまないという気持ちで総菜パンとクリームパン購入。ケーキも焼いていて、今キャンペーン中で140円。ミニシュークリームは1つ60円と良心的な店だが、大々的な宣伝をしないので売り切れる事も無い。唯一売り切れるのが、クリームパン。不思議な店だ。
 薬局に入り用なものがあったのでバイクを飛ばして買い出しに。何故か店員全員が俺を恐れているように感じるのは、勘違いじゃ無い。店員全員がビクビク俺の動向を気にしている。俺は万引き犯でも強盗でも無いぞ、安心しる。レジの人までビクビクしているもんだから、万引き防止タグを取り忘れてしまい、違う店員がペコペコ謝りながら俺を追いかけてきて「大変申し訳ございません!」だから、俺の事なんだって思ってるんだよと、思いつつ、その店員が「只今外して参りますから」と、ペコペコしながら店内に戻ったので、バイクのロックを解除したりして待っていた。やはりペコペコ店員がやって来て「大変申し訳ございませんでした!」もうしません、もうしませんから…な顔で俺に言う。だから…なんだよ、松本清
 友人が夕飯に誘ってきた。「夢を叶えたい」なんだよ、大盛りか?それとも高級料理か?と、思ったら行き先はサイゼリア。至って普通。だが夢というのが凄かった。食べたいものを全て1度に食べる。頼んだもの、小エビのカクテルサラダ・ドリア・マルゲリータピザ・カルボナーラ・ディアボラハンバーグ。半分はうちが担当。
 久しぶりにサイゼリアに行ったら、前はピザを頼むとオリーブオイルに鷹の爪が入ったものを出してくれたが、今はアメリカンスタイルにタバスコですか…なんだかより一層身近な存在になった気がします。
 案外サイゼリアの料理は小さめだったので、楽々こなしてしまった。帰り際「甘いもの食べようか」と、デニーズに行き、チョコレートパフェをふたりでモクモクと食べた。