バンクホリデーだからか、バスが来ない。パンダは好きだけれども、あの国の人は嫌いだったけれども、近所に住んでる人がタダでシティまで乗せてくれた。少しはいいかもしれない。
 何をすることもないから、ただただ歩く。俺のお腹は何故かいっぱいだ。きっと体重を減らしたいんだろう。何時もそうだったから。
 家に帰って、誰かがきっとお菓子をもらいに来ると意気込んでいたら、ホストマザーの彼氏の友達が家に来た。どうやら彼の友達が亡くなったらしい。こんな日にと、思いつつも、ホストマザーの電話番号も知らなかったので、携帯のナンバーを教えてあげた。やっぱり運命って不思議な動きをしている。
 お菓子をもらいに来たのは、たったのふたりだけ。後のふたりは俺が家の前で煙草を吸っていたら、避けていった。こういう事もあるんだ。ハロウィンの習慣はアイルランドが始めたけれども、お菓子をもらい歩く習慣はアメリカが発祥で、それを取り入れたのがアイルランド。だからか、子供が余り歩いていない。
 町中、あちこちで花火を上げている。MTVは朝からずーっとオジーの番組をやっている。こんな日にオジーを特集したら、××××になりそうだ。でも、俺はオジーが好きだから4時間は見ている。だけど、この国のMTVは最悪で、同じテープを繰り返して流してしまっている。その為、その中の1時間は同じのを見たことになる。なんて事だ。
 寝ようと思ったら、前の家の男達が道路側で花火を上げ始めた。この国のは火薬が強いらしく、かなり強い音を放つ。なんだか前線に来た気分だ。人間の壁になろうとしたことを思い出す。自分は生きている意味も価値もないから、生きていて欲しい人を助けに行こうとして、反対されて日本にいた。きっと、あの場所はもっともっとこんな音がしていたんだろうと思うと、気が遠くなる。
 魔女はいるのかな。でも、俺はずーっと思ってる。何時か俺は空が飛べると思う。